ササニシキ
「米」には、八十八の手がかかる。
米は、うるち系ともち系がありササニシキはうるち系でコシヒカリはもち系である。
いまや希少品種? ササニシキ
~みやぎ米情報ネット ミニコラム~
【東の横綱 ササニシキ】
ササニシキは、昭和38年に大崎市(旧古川市)にある宮城県古川農業試験場で、母ハツニシキ、父ササシグレの子として誕生しました。
かつて、ササニシキは「東の横綱ササニシキ、西の横綱コシヒカリ」と、おいしいお米の代表としてコシヒカリと競った時 代もあり、昭和60年~平成5年まで全国第2位の作付けを占めていました。宮城県においても、昭和42年から平成5年までの26年間、作付けの半分以上を 占める主力品種でした。
しかし、平成5年の大冷害や、栽培が容易なひとめぼれの普及などに伴い、次第に作付けが減少し、現在、全国で生産されている855万tのお米のうち、ササニシキのそれは、わずか0.7%の6万t、全国順位は第15位となってしまいました。
全国品種別生産量(平成18年産) | ||||
順位 | 品種名 | 生産量(1千t) | 割合(%) | コシヒカリ との関係 |
1 | コシヒカリ | 3,200 | 37.4 | - |
2 | ひとめぼれ | 841 | 9.8 | 子 |
3 | あきたこまち | 767 | 9.0 | 子 |
4 | ヒノヒカリ | 704 | 8.2 | 子 |
5 | はえぬき | 293 | 3.4 | 孫 |
6 | キヌヒカリ | 268 | 3.1 | ひ孫 |
7 | きらら397 | 263 | 3.1 | ひ孫 |
8 | つがるロマン | 177 | 2.1 | 孫 |
9 | ほしのゆめ | 173 | 2.0 | ひ孫 |
10 | ななつぼし | 130 | 1.5 | ひ孫 |
11 | あさひの夢 | 88 | 1.0 | 玄孫 |
12 | あいちのかおり | 82 | 1.0 | ひ孫 |
13 | こしいぶき | 72 | 0.8 | 子 |
14 | ゆめあかり | 63 | 0.7 | ひ孫 |
15 | ササニシキ | 60 | 0.7 | - |
【コシヒカリ系品種 全盛期】
平成18年の全国の水稲作付面積は168万ha。
現在、コシヒカリを県の奨励品種などに採用している地域は、北は宮城・山形、そして南は鹿児島にまで及び、その作付割合は全国の4割弱を占めています。
さらに、全国作付上位14品種は全てコシヒカリの子孫で(表参照)、それらの生産量を合計すると全国の生産量の83%にも及びます。
一方、ササニシキの作付面積は、全国計でわずか11,000ha、宮城県内でも8,400ha(作付比率約10%)だけとなってしまいました。
【根強い人気のササニシキ】
今日でも、ササニシキはあっさりとした食感と飽きのこないおいしさ、そして口に広がるほのかな甘みが特徴で、寿司職人の方々からは「シャリといったらササ
ニシキ」と絶大な支持をいただいている他、コシ系品種が持たないあっさりとした食感は和食に合うと言われ、多くの方々からいまだに根強い人気をいただいて
います。
また、宮城の農家の間では“飯米はササニシキ”という言葉を聞きます。これは“自分の家で食べる米はササニシキ”とい うことを意味し、ササニシキが地元で未だに支持され続けていることを現しています。実際、自家消費が多いササニシキは、生産されている量に比べて、流通し ている量は少なくなっています。
ササニシキは気温が高い地域で栽培するとお米の品質が低下するため、栽培可能な地域は限られます。温暖化による影響が指摘される中、暑い地域で生産することができないササニシキは、現在、唯一の非コシヒカリ系の良食味米として貴重な銘柄品種となっています。
これからも多くの方々にご支持いただいているササニシキについては、代替えのきかない銘柄品種であることを踏まえ、リピーターの方々の期待に応えながら、大事に守り続けていきたい品種です。
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